電池のしくみについて

Q1. 電池はなぜ機器を動かせる?

電池が機器を動かせるのは、電気(電流)を外に流せるからです。
電池で電気が起こるしくみについて、ボルタの電池を例に説明します。

●電池で電気が起こるしくみ

  • まず希硫酸きりゅうさん(電解液でんかいえき)に、銅板(プラス極)と亜鉛板あえんばん(マイナス極)をいれます。すると亜鉛板あえんばんから亜鉛あえんイオンが電子を残して溶け出します。
  • 亜鉛板あえんばんに残された電子は、導線どうせんを伝って銅板へ移動します。こうした電子の移動によって電流が発生し電気が起きているのです。
  • 銅板へ移動した電子は希硫酸中きりゅうさんちゅうの水素イオンとくっついて水素ガスになるので銅板は亜鉛板あえんばんよりも電子が増えることがありません。また、電池から流れる電気には、光・音・力・熱・情報の5つの働きを作り出す力があります。それぞれの機器に電気が流れることで、動かすことができます。

Q2. 電池がなくなるというのは、どういうことですか? 何がなくなると、使えなくなるのですか?

電池は、内部のプラス極の材料とマイナス極の材料との間での化学反応により電気を起こし、外部へ電気を流すことができます。
電池がなくなるということは、電気を外部へ取り出していくことによって、電池の中で電気を起しているプラス極の材料とマイナス極の材料それぞれの化学変化が終了することです。化学変化が終了することによって電気が起こせなくなります。

一次電池の場合は、材料の化学変化が終われば使えなくなります。
一方、二次電池の場合は、外部から電気を与えること(充電)によって、電気を取り出す時の化学反応と逆向きの反応が起こり、プラス極の材料とマイナス極の材料が元の材料に戻るので繰り返し使うことができます。

Q3. 電池の種類によって電圧は違いますか?

電圧は、電池の材料の組み合わせによって違います。電池の電圧は、プラス極材料とマイナス極材料の「電位でんい」の差で決まります。電位でんい電解液でんかいえきによっても変わります。

Q4. 「液もれ」といいますが、電池の中に液が入っているのですか?

電解液でんかいえき」という液体をしみ込ませています。

「液もれ」とは、「電解液でんかいえき」が電池の外にもれてくることです。間違った使い方をすると「液もれ」するので、正しく上手に使いましょう。

Q5. 電解液でんかいえきは、どんな液ですか?

電気を起こす「しかけ人」のようなもので、プラス極とマイナス極の電気の通り道の役目をしています。

Q6. 電解液でんかいえきとして、砂糖水は使えますか?

砂糖水は、イオン(電子)を通さないので電解液でんかいえきにはなりません。イオン(電子)を通すものとしては、「くだもの」では、リンゴ・レモン・みかん・すいか・グレープフルーツなど、「野菜」では、じゃがいも・大根・きゅうり・玉ねぎなどがあります。肉、塩水でも電気を通します。

ただし、パンなど液体がないものは電気を通すことができません。

Q7. 「自己放電」とは何ですか?

化学電池は使わなくても中で少しずつ化学反応が起こり、電気がっていきます。これを「自己放電」といいます。温度・湿度が高いほど自己放電は大きくなるので、温度が低く、湿気の少ない場所に電池を保管してください。

ただし、冷蔵庫に保管すると、取り出した時に電池につゆ(水分)がつきやすく、その水分で電池の表面がさびることがあり、おすすめできません。

Q8. 電池は何ボルトですか?

電池の種類によって異なりますが、普通よく使う筒型つつがたのアルカリ乾電池は、1.5Vです。四角のアルカリ乾電池(9V形)は、9Vです。これは1.5Vの単電池を6つ直列に重ねた組電池です。一番大きな電圧は、リチウムイオン電池で3.7Vです。自動車用バッテリ(鉛蓄電池なまりちくでんち)では、2Vを直列で6個つないだ12Vです。ニッケル水素電池は1.2Vです。

Q9. 電池のしくみを利用した発電所はありますか?

太陽電池を利用した大型の太陽光発電所が既に建設けんせつされています。住宅じゅうたくに設置されているソーラー発電システムも、規模きぼの小さな発電所だといえるでしょう。