乾電池について

Q1. マンガン乾電池って、どんな電池ですか?

歴史が古く、世界中でたくさん使われ、よく知られている電池です。時計やおもちゃなど幅広く使われ、休み休み使うと電圧が回復かいふくするという特徴とくちょうがあり、上手に使うと長持ちします。

Q2. アルカリ乾電池って、どんな電池ですか?

マンガン乾電池よりも、プラス極材料の二酸化にさんかマンガンと、マイナス極材料の亜鉛あえんがたくさん入っているため長持ちです。連続して大きな電流を必要とする、たとえば模型もけい自動車、電動歯ブラシなどモーターを動かすものやストロボなどパワーが必要なものに最適です。

Q3. 乾電池はなぜ「乾」という漢字を使うのですか?

1888年、ドイツのガスナーが、電解液でんかいえき石膏せっこうでかため、持ち歩いても中の液体がこぼれない電池を発明しました。それまで使われていた、液体がこぼれやすい電池に対して「乾いた電池」=乾電池と呼ばれ、この発明によって電池が使いやすくなり広く世の中に行きわたるきっかけになりました。

Q4. アルカリ乾電池とマンガン乾電池の違いは何ですか?

(1) 中に入っている材料は両方とも、プラス極材料に「二酸化にさんかマンガン」、マイナス極材料に「亜鉛あえん」を使っていますが、材料の量や形、部品そして、中の作りが違います。

(2) パワーが違います。

  • アルカリ乾電池は
    パワーがあり、長持ちです。大きな電流を必要とする機器に向いています。
    例)CDプレーヤー、MDプレーヤー、強力ライト、ミニ四駆よんく など
  • マンガン乾電池は
    休み休み使うと、電圧が回復かいふくするという特徴とくちょうがあります。小さな電流で休み休み使う機器に向いています。
    例)時計、懐中電灯かいちゅうでんとう、リモコン、携帯けいたいラジオなど

Q5. 乾電池の部品は何個ありますか?

アルカリ乾電池の場合は、大きく分けると9点です。

  1. 鉄ケース
  2. 二酸化にさんかマンガン (プラス極材料)
  3. 外装がいそうラベル
  4. セパレータ
  5. ガスケット
  6. 底板そこいた
  7. 集電子しゅうでんし
  8. 亜鉛あえん (マイナス極材料)
  9. 電解液でんかいえき

また、電池の品質・性能をさらにあげるため、その他細かい材料も使って電池を作っています。

Q6. セパレータは何でできているのですか?

特別な紙でできています。また、電池の種類によって違います。内側で起こるショートをふせいだり、自己放電を少なくする役目をしています。
(自己放電とは、電池を使わなくても、少しずつ力がなくなっていくことです。)

Q7. 電池の外側はなぜ金属ケースなのですか?

マンガン乾電池の場合、プラス極材料をマイナス極材料である「亜鉛あえん」が取りまいています。「亜鉛あえん」は化学反応で形が変わることもあるので、外側にはかたくて強い「金属ケース(外装缶がいそうかん)」を使っています。アルカリ乾電池の場合、もともと「金属ケース」の中に材料が入っているので、外側はラベルシールです。

Q8. 炭素棒たんそぼうはどのような役目をしていますか?

マンガン乾電池を作る時の材料の1つで、プラス極のエネルギーを集めて取り出す働きをしています。

Q9. 乾電池のプラス極は飛び出していますが、なぜですか?

まず、電気を取り出しやすい構造こうぞうにしているため、また、プラス極とマイナス極を間違わないよう区別しやすくするため、などの理由からです。

Q10. 四角の乾電池の中は、円筒形えんとうけいの乾電池の中と同じですか?

違います。
四角の電池(9V形)は、1.5ボルトの電池が6つ入った電池です。(電圧は9ボルト)

  • マンガン乾電池…
    チューインガムみたいな小さな電池が6つ重なって入っています。
  • アルカリ乾電池…
    単4形よりさらに細い電池が6つ、2列にならんで6本入っています。マンガン乾電池と同じようにチューインガムのような平たい電池が6つ重なったものもあります。

Q11. 乾電池の呼び名の、単1、単2とは何ですか?

1935年代の中ごろまでは、電池を何個か1つにまとめて力の強い電池を作っていましたが、その後、今のように一個ずつの電池を使うようになりました。
単1、単2の「単」は「単位電池」。何個かをまとめた電池ではなく、「1つの電池」だという意味です。単1、単2とは、単位電池の「単」をとり、大きさの順に1.2.3.4.5をつけたものです。単1、単2と正式に呼ばれるようになったのは、1942年からです。(ただし、この呼び方を使っているのは日本だけです。)

Q12. 乾電池には単1からいくつまでありますか?

1番大きいサイズを単1形、次に単2・単3・単4・単5と小さくなっていき、そして9V形という四角い電池があります。

Q13. 乾電池の大きさが違うと、パワーも違いますか?

乾電池は、単1形が一番大きく、単2形、単3形、単4形になるに従って小さくなっています。同じ種類の乾電池の場合、単1形でも単2形でも使っている材料の種類は同じですが、大きさによって材料の量が違うので、一番大きい単1形乾電池がパワーも容量も大きいことになります。

Q14. 手作り乾電池と、工場で作る乾電池に違いはありますか?

性能・品質が違います。工場で作られている電池は、材料をたくさんつめこむことができたり、高い技術を使って同じレベル・性能の電池を短時間でたくさん作ることができます。また、電池ができるまでにもたくさんの検査けんさを受けながら作られていますが、完成してからも品質・性能の検査けんさを受けています。手作り乾電池は、電気が起こるしくみを勉強するための「実験用教材」ですので、絶対ぜったい に機器に入れて使わないでください。

Q15.マンガン乾電池やアルカリ乾電池には水銀を使っていますか?

今は使っていません。昔は、乾電池を長持ちさせるために水銀を使っていましたが、1991年にマンガン乾電池、1992年にはアルカリ乾電池で、水銀を使わなくなりました。現在「水銀ゼロ使用」の電池でも、品質・能力は変わらず、むしろ研究・開発によって、より能力の高い電池が生まれています。

Q16. 乾電池は温かいところで使うとよく働くのですか?

乾電池は化学反応を利用して電気を起こしますが、化学反応は温度が低いほど起こりにくくなります。そのため、乾電池は温かいところの方がよく働き、低温になるほど使える時間が短くなります。しかし、最近の乾電池は性能や品質が向上しているので、使用上、問題にはなりません。

Q17. 機器によって乾電池の並べ方や本数が違うのはなぜですか?

機器によって、必要な電圧・電流は違います。大きなパワーが必要な機器にはたくさんの電池を使います。また、乾電池には「直列つなぎ」と「並列つなぎ」という二通りのならべ方があり、「直列つなぎ」は高い電圧が必要な場合、「並列つなぎ」は電圧が低くても長い時間使う機器に用いられています。

Q18. 乾電池の残りが一目でわかる方法はないのですか?

今のところ、見た目ではわかりません。一般的に売られている”電池チェッカー”で残りを量れますが、あくまで目安として考えてください。

Q.19 乾電池用やニッケル水素電池用の充電器で乾電池(一次電池)を充電した場合はどうなりますか?

乾電池(一次電池)は、充電式には造られていません。充電すると絶縁物や内部構造などを破損し、電池が液もれ、発熱、破裂するおそれがあるので、乾電池(一次電池)は絶対に充電しないでください。
日本産業規格(JIS)の一次電池通則(JIS C 8500)では、一次電池は"他の電源によって充電できるようには設計していない、素電池又は電池。"と記載されています。

【解 説】
乾電池を充電すると電池内部でガスが発生します。乾電池は構造的に充電式に造られていないので、電池内部でガスが発生すると内圧が上昇して、液もれしたり、破裂することがあります。

Q.20 乾電池(一次電池)は、充電できないのですか?

乾電池は充電式ではないので、充電すると絶縁物や内部構造などを破損し、電池が液もれ、発熱、破裂するおそれがあるので、乾電池(一次電池)は絶対に充電しないでください。
日本産業規格(JIS)の一次電池通則(JIS C 8500)では、一次電池は"他の電源によって充電できるようには設計していない、素電池又は電池。"と記載されています。

【解 説】
乾電池を充電すると電池内部でガスが発生します。乾電池は構造的に充電式に造られていないので、電池内部でガスが発生すると内圧が上昇して、液もれしたり、破裂することがあります。