環境憲章

序文

地球温暖化・オゾン層破壊・酸性雨・砂漠化・熱帯雨林の減少・産業廃棄物・海洋汚染等の地球環境問題や地球資源の枯渇問題は、近年、人類の生存の脅威となっている。

これら諸問題の解決には、国・企業・国民のいずれを問わず公平な役割分担のもとに、国際的に一丸となった継続的改善を実施する必要がある。
1992年6月の環境と開発に関する国連会議における「リオ宣言」は、地球環境改善を全人類の共通認識として実行に移すための、国際的な方針となる公式宣言である。

1991年4月、わが国においても、産業界の持続的発展を可能とする環境保全型社会の実現に向けた、新たな経済社会システム構築の指針となる「経団連地球環境憲章」が制定されている。

また1993年11月には、地球環境時代の新しい基本理念や施策の方向性を示した「環境基本法」が制定された。

このような状況下にあって一般社団法人 電池工業会は、会員企業の総意のもとに、地球環境保全を全人類の共通課題として認識し、会員企業が連携してグローバルなパートナーシップを果たすとともに、人類の質の高い生活に貢献する電池および電池関連製品を提供することを確認するに至った。

そこで一般社団法人 電池工業会は「リオ宣言」および「環境基本法」、ならびに「経団連地球環境憲章」の内容を踏まえ、ここに「電池工業会 環境憲章」を制定することとした。
「電池工業会 環境憲章」は、会員企業が最新の技術的知見と経済的に適切な手段を合わせ、環境保全型社会に向けた自主的で実施可能な取り組みを行うためのガイドとなり、ひいては豊かな社会の実現に貢献することを目的としている。

本環境憲章は序文と基本理念、および行動指針で構成し、地球環境保全に対する状況の変化に対応するために、必要に応じ適宣見直しを行う。

基本理念

一般社団法人 電池工業会は、 事業と環境の関りを認識し、 環境と調和する活動・製品・サービスを通じ、 全人類がその人間性を十分発揮できる豊かな社会の地球規模での実現に積極的に取り組みます。

行動指針

  1. 環境問題に関する工業会の取り組み
    「地球的規模で環境保全に努めることは、人類の共通課題である」との認識のもとに、当工業会は電池および電池関連商品を通じ、環境保全と経済発展の持続的両立の推進を重要なテーマとして積極的な取り組みを行う。
  2. 工業会の体制
    工業会内において環境問題担当の役員を任命するとともに、各部会ごとに環境保全専門の委員会を設け、諸問題解決への取り組み活動を行う。
  3. 環境に対する影響への配慮と技術開発
    会員企業は、原材料・部品・製品設計・生産・流通・使用・廃業の全工程にわたり、ライフサイクルアセスメントの視点に立って、管理可能で影響をおよぼしうる範囲での省資源・省エネルギおよびその他の環境負荷の低減に努める。
    また、国および地方自治体等の環境関連法令ならびに条例を遵守するとともに、必要に応じ自主基準を策定する。
    さらに、省資源・省エネルギ・リサイクル等に関して、自主的な技術開発・改善活動および適正管理を進め、社会に対して情報提供ならびに貢献できるよう努力する。
  4. 広報・啓発活動
    当工業会は、環境保全に関する国内外情報を積極的に収集し、会員企業にフィードバックすると同時に、製品の利用者に対しては適正な使用法・再資源化・廃棄方法に関する情報を提供する。
    会員企業は、従業員に対して環境に関する深い認識を促し、省資源達成等のために、日常のきめ細かい管理が必要なことの理解を求める。
  5. 社会との関り
    会員企業は、社会の一員として、地域あるいは国の地球環境保全活動に積極的に参加するとともに、社会各層と接触を行い、環境保全に関する相互理解に努める。
  6. 海外との関り
    当工業会は、経済の持続的発展を可能とする、地球規模での健全な環境を次世代に引き継ぐために、海外各地の事業所においても、その国の法に則った活動のリーダ的役割を積極的に果たすこととする。このため、欧・米・亜各国との情報交換の場を設け、課題事項の改善検討等を行うと同時に、国際的な協力・共生関係を築き、ともに活動を推進する。
  7. 国等行政との関り
    当工業会は、国内行政および国際機関等における環境政策に対して情報の提供に努め、必要に応じ関係各方面に提言を行うなどして、地球環境保全への貢献に尽力する。
  8. 地球温暖化等への対応
    会員企業は、地球温暖化およびオゾン層破壊・酸性雨・砂漠化・熱帯雨林の減少・産業廃棄物・海洋汚染等の問題について理解認識し、民間部門としての役割分担において、省エネルギの推進等に積極的に参加する。
  9. 環境マネジメントシステムの構築
    当工業会は、環境保全に対する自主的で継続的な取り組みを図るため、国際規格ISO14001示される環境マネジメントシステムの積極的な構築を会員企業に推奨し、その活用を勧奨する。