2020年度事業報告書

  • 環境、再資源化への取り組みでは、海外の環境関連法・規制の動向に関する情報収集を行い、「世界の電池 環境規制の状況(第11版)」を発行した。国際電池リサイクル会議(ICBR)についてはコロナ禍のため出張中止となったが、オンライン登録で情報収集に努めた。
    産業用鉛蓄電池においては、蓄電池工業会ホームページをより分かりやすく改訂し、またリーフレットの改訂も実施した。
    再資源化の取り組みは、最新版JIS、法令、JBRC業務に対応した「小型充電式電池の識別表示ガイドライン」を改定し、第8版を発行した。
  • 標準化への取り組みとして、一次電池では、IEC国際規格(性能、安全性、輸送等8件)の改訂審議及び新規制定を推進した。日本提案を規格化するため国内外の関連団体と連携し、幹事国としてリーダーシップを発揮した。また、IEC規格開発のレベルアップのため、エキスパート教育を継続して開催した。さらに、JIS規格(通則及び個別製品仕様)の改正審議を開始し、2020年11月に規格作成に応募した。
    二次電池のうち、鉛蓄電池のIEC規格では,自動車用電池の寸法規格に日本の規格を織り込んだ規格原案がほぼ完成している。また、補機用鉛蓄電池(EV、HEV用)のIEC規格開発が始まっており、これには当初から日本のメンバーが参加し、規格作成に重要な役割を担っている。さらに電池の識別表示規格の改正作業には,日本から新規の国際標準化人材が新たに参加している。国内のJIS規格では引き続きベント式据置鉛蓄電池の改正作業を実施し、原案が完成済み、また二輪車用鉛蓄電池の規格改正作業に着手しており,そうほうともに2021年度中の公示を目指している。。
    国際会議の対応として、リチウムイオン・ニカド・ニッケル水素電池における環境、リユースなどの新たな分野で規格作成に着手した。産業用ニッケル水素電池の安全に関わるIEC規格の作成をリーダーとして推進し、IS発行に至った。また、米国のANSI、IEEEの両規格のIEC規格への整合を推進した。
  • PL、安全への取り組みでは、一次電池は、重要クレーム情報のまとめを行い、ホームページ内の「乾電池使用上のトラブルについて」Q1. どんなトラブルが多いのですか?、Q2. トラブルの主な原因は何ですか?の項目について内容を更新し、使用方法の啓発を図った。
    二次電池では自動車電池の爆発情報を収集し、国土交通省自動車整備課,全日本トラック協会,東京都トラック運送事業協同組合連合会に報告し爆発事故削減啓発活動を実施した。
    小型充電式電池では、電池の正しい使い方に関する啓発資料の見直しを行い、スマホ・PC・モバイルバッテリー等の市場事故情報の把握と共有を継続した。
  • 蓄電池設備認定・講習事業の取り組みでは、認定事業は監督官庁の指導のもとで、非常用蓄電池設備の技術基準を遵守し、蓄電池設備の性能と品質の維持、安全性の確保を図り、国内外の企業並びに同製品について、公正で透明性の高い認定業務を実施した。
    講習事業は、蓄電池設備整備資格者の新規受講者講習(本講習)を10地区10会場、資格取得後5年毎に受講する再講習を11地区15会場で開催することを計画したが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、本講習2回を中止とし、政府及び各都道府県のガイドラインに則り運営した。
  • ボタン電池回収処理事業の取り組みでは、協力店数微増のなか、大きく回収量が増加した。また、回収電池のサンプリング調査を行い、空気亜鉛電池、酸化銀電池、アルカリボタン電池の水銀含有状況を調査した。
  • 広報活動としては、消費者に向けて、「電池の安全で正しい使い方」や、「回収・リサイクル」について各種メディアや自主イベントの手作り乾電池教室を通して啓発活動を展開した。
    重点推進事項としては、「乳幼児の誤飲事故防止」、「小型充電式電池の回収・リサイクル」、「自動車用バッテリの定期点検・買替促進」の啓発に注力した。
    コロナ感染影響のため電池フェスタは開催見送り、手作り乾電池教室も昨年実績52会場に対し11会場と大幅縮小となった。その挽回策として、電池フェスタや手作り乾電池教室で行っている「電池の実験」や「電池の正しい使い方、回収・リサイクル」に関する啓発動画を3本制作しYouTubeで配信することで、啓発機会の挽回を行った。